最後の一夜が授けた奇跡

俺が社長に就任してから1か月が過ぎたころから少しずつ【ASAKAWA】の業績が上がっていった。でもまだ足りない。

周囲を納得させるだけの結果が足りない。

毎日どうにかして結果を出そうとしているときに・・・季里が退職届を出した。


ずっと一緒にいたんだ。
季里が考えていることなどすぐにわかる。

季里は俺のことを考えて、きっと本当の意味での別れを決断したんだ。

社長室に来るたびに痩せて、顔色が悪くなる季里。
いつもまっすぐに俺を見て微笑んでくれていた季里が、今はうつむいて俺を視線を合わせないようにしてる。

時々俺が無理に視線を合わせると、困ったようにひきつって微笑む。