最後の一夜が授けた奇跡

私は律樹の方を見た。

だめ。

やめて。

精一杯心からメッセージを送る。

台無しになっちゃう。

だめ。

必死に視線で訴える私に、律樹はぎこちなく微笑んだ。

そして、私から理事長に視線を移す律樹。

「彼女の何を知っているんですか?」
いつも以上に低い声の律樹。
誰が聞いてもその声が怒っていることがわかるくらいに怒りに震える声。