最後の一夜が授けた奇跡

「季里?」
急に立ち止まった私に律樹が振り返る。

「どうした?」
律樹が私の隣に戻ってくる。

「懐かしいな」
「え?」

私が立ち止まったのは思い出の場所。

ここで雨宿りした日のことを今でもはっきりと思いだす。

誓いを立てながらキスをしたあの日の私にはこんなに幸せな未来は想像できなかった。


「あの日季里はピンクの下着だった。」
律樹の言葉に私は律樹をにらみつける。
「変態。こういう大切な場所で変なこと言わないで。」
「はははっ」
律樹は無邪気に声をあげて笑う。