最後の一夜が授けた奇跡

自分の言ってしまった言葉に後悔していると・・・


「遠慮するだろ。好きなんだから。余計に。がつがつ進めないだろ。」
という彼の言葉が聞こえた。

私がその言葉に顔をあげた瞬間、冷え切っていた体が温かなぬくもりに包まれる。

「俺が背負ってるものは、簡単には投げ出せないんだ。」
「・・・知ってる。」
「俺がどんなに頑張っても、背負わせちゃうと思う。」
「・・・うん」
「幸せだけじゃなく、楽しいだけじゃなく、俺は大変な思いも、苦しい思いもさせちゃうと思う。」
「うん」
「どんなに守りたくても、守り切れないかもしれない。」
「・・・うん」
「でも、俺は守りたい。」
大きな彼の体に抱きしめられながら、彼の耳元でささやく声に、私はどきどきが止まらない。