最後の一夜が授けた奇跡

「何がめんどくさいの?」
あえて聞き返す私。

「・・・」
私の言葉に彼は言葉に詰まってしまった。

「・・・嫌だよ」
彼が私の方に視線を向ける。

「ごめん」
なぜか謝る彼。

「いやだよ。困ったように笑うのも。寂しそうに笑うのも。切なそうにうつむくのも。相手に遠慮して苦しそうにしてるのも。」
「・・・」
「自分の背負ってるものに、支配されそうになって苦しそうなのも。いや。」
私に送る視線が驚きに変わる。