最後の一夜が授けた奇跡

少し目立ってきたお腹に触れる。

「人生に無駄なことなんてひとつもないんだ」

そう思うと今までのことも、自分自身も、大切に思える。

思い出すとちくりと心が痛むこともあるけど、でもそれも今の幸せにつながっていると思うとかけがえのないことに思える。

「そうだね」

私の言葉に亮太はにっこりと笑って私に触れるか触れないかの口づけをした。

「愛してる」
唇をはなすと耳元でそうささやき、照れ臭そうに再び夕日の方へと視線を戻した。