最後の一夜が授けた奇跡

「この度は本当に申し訳ございませんでした。」
地面に額がつくかつかないかのところまで頭を下げる。
地面に直接ついている膝や手は落ちている破片でひどく痛む。
でも、今私の目の前にいる人たちはもっとひどい現実に直面していて、その原因を作ったのは私だ。

もっとこの人たちを私は痛めつけてしまっている。

そう思いながら私は頭を下げて謝り続けた。

「謝ってほしいわけじゃない。35年間ありとあらゆるものをかけて働いてきたおれたちに対するこんな仕打ちってあるかよ。人のこと、俺たちの人生なんだと思ってんだよ!」
たくさんの声に罵倒されながら、こんな状況だけは作りたくないと頑張ってきたつもりだったのに、結局私には何もできないと、後悔とやるせなさが心をぎゅっと苦しめる。

「代表は俺たちに会いにも来ないのかよ」
そう投げ捨てた言葉を残して、私を囲んでいた人たちはその場からいなくなった。