最後の一夜が授けた奇跡

多岐川はそれから1か月後。予定通りに石川財閥を退職した。

外資系の企業を仲間と立ち上げて、その企業の名前を風のうわさで聞いた。

【new world】

新しい世界で多岐川も頑張っている。

そう思いながら私も自分にできることを精一杯頑張った。

自分の部屋のクローゼットには多岐川にもらった服とスニーカーが飾られている。

それを見るたびに、多岐川のぬくもりも言葉も思い出すことができた。

そして、もう一度頑張る力になった。