最後の一夜が授けた奇跡

「似合う!」
多岐川の足元を見ると、私と同じような黒と白のスニーカーを履いていた。

なんだか恥ずかしい。

「着心地は?」
「・・・いい・・・」
よかった。

嬉しそうに笑いながら多岐川は私の手をひいて歩き出す。

歩きやすい。

いつも履いているヒールの靴は宙に浮いているような感覚だった。

でもスニーカーはちゃんと地に足がついているような感覚・・・。

歩くのが楽しい。