最後の一夜が授けた奇跡

「・・・」
私を見ていた多岐川が急に真剣な顔になる。

気に障ることを言ってしまった?

おかしなことを言って多岐川が私に幻滅してしまった・・・?


不安になって多岐川を見る。

「今日はお嬢様と呼ばなくてもいいですか?」
「へ?」
真剣な表情のまま多岐川が私に言う。

「今日はあなたは石川睦美。俺は多岐川亮太です。」
「・・・・どういう・・・・」
「敬語はやめる。俺のほうが年上だし。」
「・・・」
「行こう。」
「え?」
「お嬢様じゃなく・・・・うーん・・・むっちゃんにするか!」