最後の一夜が授けた奇跡

「・・・ありがとう・・・」
「どういたしまして」
私があんの入った中華まんを自分で口に運ぶと、私を見ていた多岐川は自分の口に私が一口食べた中華まんを運んだ。

「俺、あんまんより肉まん派なんでちょうどよかったです。」
と笑う。

誰かとこうして食べ物をシェアするなんて初めてだ・・・。


なんだかくすぐったい。

でもあたたかな気持ちになる。

「これも、どうぞ」
多岐川はペットボトルの蓋を一度開けて緩めてから、あたたかなお茶を渡してくれた。