最後の一夜が授けた奇跡

冷え切った心にじんわりとしみる。

私はミルクティに口をつけて少し飲む。

その温かさは体の芯までしみるようだった。




また前に歩き出さないとならない。

ここでくじけてはいけない。

私が背負っているものは簡単に投げ出せるような物じゃない。

改めて覚悟を決めながら、自分の背負っている運命に向き合う気合を入れて運転席に座った多岐川に伝える。

「本社へ」と。

「承知しました。」
その言葉をまるで待っていたかのように多岐川は少し微笑んでから車を走らせた。