最後の一夜が授けた奇跡

だから私は必要以上の多岐川のことを知らない。

なのに、多岐川は私の気持ちや状況が不思議になるほどよくわかってくれている。


今もそう。

少し車内が肌寒く感じると考えた瞬間に、多岐川は車内のエアコンの調節をしている。

私が疲れている時には少し休憩をすることを進めてくれたり、のどが渇けばその時に飲みたい飲み物までくれるのだ。

どうしてここまで私をわかってくれるのだろうか。

まるで私の心の声が聞こえているかのよう・・・。