「今度親父たちに甘えて、デートしようか」
「そんなことできる?」
「言ってみよう。喜ぶかもしれないぞ?桔平にはでれでれだったからな。」

きっと、今だからこそ律樹のご両親も律樹のことや子育てについて考えられることが多いのだと思う。

今までのことがあったからこそ。

「無駄なことなんて、何一つないんだよな」
「うん」
隣から聞こえる律樹の言葉に私は大きく頷く。

「幸せだな」
嬉しそうな律樹に私も微笑みが浮かんでしまう。

「桔平、今夜は早く寝ろよ?パパはママとの時間を楽しみたいからな。」
「ばか」
こんなやりとりをしながら私たちはゆっくりと散歩を楽しんだ。