「それに少し反省してるのよ、ね?おとうさん」
お義母さんがお義父さんの方を見る。

「仕事が忙しくて律樹の子育てに私たちはもっとできることがあったんじゃないかって反省ばっかりしてるから。」
「・・」
「せめて孫のお世話をさせてほしいのよ。これは私たちの罪滅ぼしでもあるから」

理事長になり少し仕事に余裕ができた理事長は、家にいることが多くなった。

それまでは理事長も奥様も”それぞれ”という状況だったのが、時間ができていろいろと話をしたり、一緒に出掛けるようになったと聞いている。

そんな二人だからこそ、今だからこそ、こうして私たちに歩み寄ろうとしてくれているのだと思う。

律樹の言葉を思いだす。

決して無駄なことなんてないのだと。