最後の一夜が授けた奇跡

「これはお父さんからの提案なんだけど、というかもう契約しちゃったから出産祝いだと思ってほしいんだけどね、家事代行サービスで少しでも支えになれたらなって。」
私は律樹と目をあわせる。

「私たちにとってもかわいいまごなんだから、このくらいさせて?あっ、今度大量の荷物が届くから受け取ってね。主にお父さんの趣味だけど。あれこれ買っちゃってね」
意外な言葉に私たちは目を丸くした。

お義父さんは見たこともないような穏やかな顔で桔平を見つめている。

「あっ」
お義父さんの服に桔平のよだれがついてしまって私が慌てて拭こうとするとお義父さんは微笑みさえ浮かべながら「いいんだ、いいんだ」と私がお義父さんの服を拭くことを断った。

意外な姿が多すぎて、私も律樹もたじたじになってしまう。


「ご厚意、ありがとうございます」
「ばかだな。堅苦しい言葉はやめなさい。桔平に嫌われたらお前のせいだぞ」
律樹の言葉にすぐに返事をするお義父さん。