最後の一夜が授けた奇跡

次々に秘書課の職員も帰宅していく。
私も机の上を整理してから、帰り支度を始めた。
少しずつ必要のないものは持ち帰らないとならない。

カバンに詰め込めるものを詰め込んでいると、机の引き出しから大切にしまい込んでいた箱が出て来た。

その箱を手に取り、胸に抱きしめる。

この箱を贈ってくれたのは律樹だ。
私の就職が決まった時にプレゼントしてくれた。

短期のアルバイトをして、自分のお金で買ってくれたプレゼント。
そっと箱を開ける。

そこには私が大好きなダークグリーンの万年筆が入っている。

お守り代わりにずっと机に入れていたものだ。