『季里』


夢の中で律樹の声が聞こえる。

誰よりも、その声に私は安心できる。



暗闇の中、薄れていく意識の中で私は律樹の名前を呼んだ。



痛みが全身に広がりやがて麻痺してくる。

あまりの痛みに目を開けていることすらできず、次第に痛みに麻痺していたからだから、痛みすら感じなくなる恐怖に、私はただただ律樹の名前を呼び続けた。