最後の一夜が授けた奇跡

俺の手にはべったりと血がついていた。

「季里っ!」

慌てる気持ちをどうにかおさめながら俺は携帯で電話をする。

要請している救急車だけではなくメンテナンス業者がこられないのなら、レスキューが必要だ。
この状況では季里を動かせない。

震える手で俺は携帯のディスプレイを操作した。




季里は痛みにゆがめていた顔が、どんどんと冷たくなる。

ライトで照らしても季里の正確な状況はわからない。

なんて無力なんだ・・・。