最後の一夜が授けた奇跡

季里の意識があれば俺はエレベーター内から救出できるかもしれないと考えていた。でも意識がない状態では無理だ。

「・・・っ・・・」
季里は意識がないまま苦痛に顔をゆがめている。

「痛むのか?」
季里のお腹に触れる。

いつも触れて来たお腹。かなり今日は張った状態だということが分かる。

「季里、痛むのか?」
季里の体を慎重に起こして自分の膝の上に頭をあげようと季里の体の下に手を入れた時、不安な感覚を手に感じた。

俺はすぐに自分の手をひき戻して自分の手をライトで照らす。

全身からさーっと血の気が引いた。