願いながら45階のフロアに着くと、すでに社員たちが斉木にエレベーターの扉を開けていた。

俺は社員たちをかき分けて、一番前に出る。

開いている扉から覗き込むと、45階よりも少し下のあたりでエレベーターが止まっていることが分かった。

「メンテナンス業者はまだつかないそうです。最悪1時間以上かかるかもしれないと連絡が入りました。」
現場にいた社員がそう報告してくる。

「警備室のモニターも多分エレベーター内の配電の問題で回復しないそうです。」

「季里っ!!季里っ!!」
俺はありったけの声でその名前を呼ぶ。

社員たちも反応を確かめる。
それでも中から反応はなかった。