最後の一夜が授けた奇跡

先に連絡を取っている秘書はどこかのフロアの社員がエレベーターの異常に気付いたことを報告を受けている。

デパートには合わせて6基のエレベーターがある。
「何番だ?」
俺の質問に秘書は再び通話口を手で押さえて言う。

「3番です。」
その番号が示すのは建物の北側のエレベーターだ。

その番号に秘書たちは少しほっとしたような顔をする。

というのも、南側のエレベーターはガラス面もあるデザインで景色を楽しめる主にお客様用のエレベーターだ。

反対に北側のエレベーターは商品の搬入や社員の移動に使うことが多い。

「社長!」
警備室に連絡を入れていた社員が声をあげる。