私はキッチンに向かい冷蔵庫からミネラルウォーターを出して一口飲むと、自分に気合を入れてからシャワーを浴びた。

いつものように準備をしながら、あと何回こうして身支度を整えて出社するのだろうか。
あと何回律樹と会えるのだろうか。

考えることはやっぱり律樹のことばかりだ。

私が居なくなってからも、律樹は大丈夫だろうか。
信じていない訳じゃないけど、あれだけ大きなデパートの社長になったのだ。
きっと大きな責任に押しつぶされそうになることだってあるはずだ。

大きな決断に胃が痛くなることだってあるはずだ。

でも、そんな大変な時に、私はもうそばにいてあげられない。

支えてあげられない。

話を聞くことすらできない。

隣にいることすら・・・。