律樹と別れてからの毎日は胸がいっぱいで食事もろくにのどを通らない。

誰もいない部屋に帰ると、自然と涙が流れることも多い。

だって・・・この部屋には律樹との思い出が多すぎる。


この部屋は私が大学に進学してすぐに引っ越してきた部屋だ。
ワンルームのマンションの一室。
実家で暮らしていた律樹はよく私の部屋に泊まった。

初めて律樹が泊まりに来た日のことも、ここで喧嘩をした日のことも、仲直りした日のことも、お酒を飲んだ時のことも、新しい家具を買って二人で模様替えした日のことも・・・全部鮮明に思いだしてしまう。

一緒に買いに行ってそろえたものも部屋のいたるところにある。

おそろいのコップ、おそろいの歯ブラシ。
律樹が気に入って買ってきた観葉植物まで。