最後の一夜が授けた奇跡

一気に全身から汗が吹き出すように流れ、震え始める。


こんな時に限って携帯電話すら持たずに出てしまったことを後悔する。



律樹・・・律樹・・・・助けて・・・・



エレベーターの床に倒れこみ、起き上がれない体のまま非常電話に手を伸ばす。

無情にもその受話器は遠くて届かない。


このまま死んでしまうの・・・?

失ってしまうの・・・?