会社でどんなやりとりをしているかはわからない。

律樹が石川財閥の代表とどんな交渉をするかもわからない。

だからこそ、私はそわそわして仕方なかった。

不安な気持ちを拭うように私は家中の掃除をした。

いつもはやらないような場所までぴかぴかにする。


何とか時間が過ぎて午後になっても、律樹からもなんの連絡も来ていない。

私はじっとしていられず、キッチンへ向かった。

疲れて帰ってくる律樹に何かおいしいものを作って待っていよう。