今は律樹を信じるしかできない。

私は別れを告げた大きな窓の前で律樹に抱きしめられながらそんなことを思っていた。

愛しているという律樹の言葉には魔法のような効果がある。




私は律樹に抱きしめられ、律樹を抱きしめ返しながら眠れない夜を過ごした。



次の日の朝、私は朝食を用意して、いつものように律樹を送り出した。

今日が勝負の日だとわかっている。

がんばって。

思いを込めて律樹に口づけた。