辺りの景色を一望できるこの場所で、俺たちは一度離れる決断をした。

でも今こうして一緒にいられる。

この奇跡に感謝しながら、守る努力をしないとならない。

いつまでも迷ってはいられない。

明日、石川財閥の代表と話すことになっている。

どんな結果になってもあきらめない。


「愛してる」
後ろから抱きしめながら季里の耳元でささやくと、季里は俺の季里のお腹に回している手に自分の手を重ねた。

「私も、愛してる」