最後の一夜が授けた奇跡

「座ってろ」
部屋に帰ると気持ちを切り替えたかのように律樹は私をソファに座らせて、冷えた体にブランケットをかけてくれた。

「あったかいの淹れてくるな。」
「・・・ありがとう」
律樹はそう言ってキッチンへ向かう。

手際よく私に温かい飲み物を用意してくれる律樹。
でも、その表情が明らかに石川睦美の話を聞く前とは変わっていることに私は気付いている。

一緒にいることが当たり前になれることをあこがれていた。

でも、私たちが一緒にいるということは・・・さっき見たようにたくさんの関係者、社員たちの生活や運命、人生を大きく変えてしまうということだ。

本当に私はわかっていた・・・?

背負う覚悟ができていた・・・・?