最後の一夜が授けた奇跡

うつむく私に石川睦美は話し続ける。

「ちゃんと考えて。本当にあなたにはこの人たちの人生を背負う覚悟がある?この人たちの人生を狂わせてでも今の場所にいる覚悟がある?」

わかっていなかった・・・私はちゃんとわかっていなかった・・・


「季里っ!」
その時、律樹の声がして私はその声の方を見た。

慌てた様子で律樹が私の方へ駆け寄ってくる。

すぐに私の肩に手を置いて、心配そうに私の顔を覗き込む。

「大丈夫か?」
そう言いながら私の肩に自分の着ていたシャツをかけた。