私が妊娠したばかりのころは律樹は仕事をしてからスーパーで買い物をして私の部屋に帰宅し、朝も私より先に起きて私の部屋から出勤をしていた。

体調が悪くなっても、すぐに仕事場から駆けつけてくれた。

もっと早くこうしていれば、律樹のこれまでの負担も減らせたかもしれないと思うと、少し後悔する。でも、つわりのひどい時期を考えると、それは不可能に近いことだった。

あまりに体調がよくて動きすぎる私を律樹は心配そうに見守ってくれている。

とは言っても、帰宅してから私がご飯を作って待っているとかなり嬉しそうにしてくれているけれど。


「これで最後かな」
業者の手際の良さであっという間に私の部屋は空っぽになった。

「うん」
「じゃあ、トラック追っていくか。」
「うん」