最後の一夜が授けた奇跡

「お前は達成できないと思ってた。」
ひどい言葉だ。
息子を信じていなかったんだ。

そして、無理難題を押し付けて私と律樹を離れさせようとしていたんだ。

改めて理事長の考えを知って私は律樹が心配になった。

実の父親なのに。

理事長は私に視線を移した。

律樹に似ている理事長。

でもその瞳からは私への敵意しか感じない。

思わずそらしそうになる気持ちを抑えて、私はまっすぐ理事長と目を合わせた。