「ただいま!」
上機嫌で帰宅した律樹。
「おかえり」
玄関で出迎えた私に飛びつくかのような勢いで抱き着く律樹。

「おめでとう」
「ありがとう。」
律樹が努力をして決めた契約だ。

「周りの社員も驚いてたよ」
「そうでしょ。だってすごいことだよ」
短期間でこんなにも新しい店舗の契約を結ぶことは異例中の異例だ。そして、その店舗もかなり大手。

「イベントの話も理事長から了承を得て進みだしてるんだ。」
「すごいね」
「これは季里がいてくれたからだな」
「そんなことない。律樹の努力でしょ」
「違うよ。季里とこの子がいてくれたから頑張れたんだ。」
律樹は体を離してしゃがんだ。