私も母のように、強くて優しくて、頼りになる母になりたい。

そんなことを思いながら久しぶりの長電話に、私は心まで元気をもらった。



律樹が帰ってから電話の話をすると律樹は頷きながら話を嬉しそうに聞いてくれた。
「季里のおかあさん、俺も好きなんだよなー」
「そう?」
「あぁ。うちは昔から両親とは少し距離があったからな。俺、ほとんどお手伝いさんに育てられたようなもんだし。」
「そうなの?」
「あぁ。俺の両親は見合い結婚で跡取りさえ生まれればいいっていう考えだったみたいでさ。あんまり家事とか子育ては得意じゃなかったんじゃないかな。」
幼いころの律樹を思うと切なくなる。

「だからこそ、俺はこの子の子育てにはちゃんと参加したいんだ。離れずにその成長をそばで見たいんだ。」
毎日律樹は仕事から帰ると私のお腹に触れる。