最後の一夜が授けた奇跡

「これで、律樹さんの前から消えてくれないかしら?」
そう言って笑う彼女。

言葉から机に置かれたものがお金だとわかる。

「どこがいいのかしらね?あなたの。きっとないものはまぶしく見えるのね。」
捨て台詞を吐いて彼女は病室を出て行った。


彼女が出て行ってからも、ずっと彼女の香水の香りが残っている。

そして、彼女の言葉も私の中で何度も何度もこだまするように響いた。



私にはなにも言い返せない。

自然と涙があふれ出す。