最後の一夜が授けた奇跡

辛そうにしている律樹も、朝から晩まで努力している律樹も、うまくいかず悔しがる律樹も、想像できる。

そんな風にさせたくない・・・。


「ただそばにいることだけが愛じゃないと思うわ。彼を想っているなら、あなたが彼の家柄じゃなく人柄に惚れたなら、身を引くことも愛だと思うけど。」

ずきずきと心が痛む。

「私なら律樹さんにすべてをあげられるわ。今まで積み重ねてきたものをなかったことになんてしなくても生きていけるだけの、支えになれる。」
「・・・」
「彼を苦しめて、すべてを奪う前に、彼の前から消えて頂戴。」

彼女は私の方に高いヒールをかつかつ鳴らして近づき、何かをベッドの机に置いた。