最後の一夜が授けた奇跡

「体調、大丈夫か?」
「うん。ありがとう。」
結局私の入院は1週間を過ぎていた。
やっと診察で出血がとまり安定してきていることを伝えられた。
母子手帳の申請に必要な書類もすでにそろっている。

「母子手帳、手続きに行かないとな。」
「うん」
まだ入籍をしていない私たち。
入院している私に代わって律樹が手続きに行けない。

「季里」
「ん?」
「籍、いれよう。」
「え?」
律樹からの言葉に私は動きを止める。

まだつわりがひどくあまりベッドから起き上がれないため、リクライニングになっているベッドの背中の部分をあげた状態で律樹と話をしていた。