最後の一夜が授けた奇跡

手際よく私を車に運んでくれた律樹。

病院に着くとすぐに診察をしてもらうことができた。
吐き気はつわりだろうと診断されたものの、お腹の張りとまた少し出血をしていたといわれ、安定するまでの数日間入院をすることになった。

正直、私はほっとしていた。

これで入院している間は律樹に負担をあまりかけずに済む。

「必要な物、持ってくるから。」
「いいよ。仕事、行って。荷物はいつでもいいから。」
「大丈夫。今日は午後から出勤することにしたから。」
律樹はそう言ってすぐに私の部屋に戻り必要なものを持ってきてくれた。

その日から律樹は毎日朝と夕方に病院に面会に来てくれるようになった。

夕方は仕事の合間に来てくれて、病院からもう一度仕事へ戻って行った。