ひとりで立ち向かわせているようで私の心が痛んだ。

ふとベッドに横になりながら私は自分の左手の薬指に輝く指輪を見た。


私の好きなデザインのその指輪。

昔・・・まだ結婚をちゃんと考えていなかった大学生時代に一緒に行ったアウトレットの店で、指輪を見たことがある。

一度だけ律樹に言った私の理想の婚約指輪のデザイン。

色はシルバーで大きなダイヤだけではなく、小さなダイヤがちりばめられているような指輪。
そして・・・

指輪を外してリングの内側を見る。

刻印はお互いのイニシャルがいいと言っていた私。
そこには二人が付き合い始めた記念日まで入れられている。

ちゃんと私の理想のデザインの指輪。私の言ったことをちゃんと覚えていてくれたんだ。