「ちゃんと妊娠に関して勉強しないとな」
「うん」
~♪

突然なりだした携帯電話に律樹が反応する。
ディスプレイを見てから戸惑ったような表情をする律樹に、その相手がすぐにわかった。

「でて」
私の言葉に律樹は明らかに動揺する。

「いいから。ね?」
「わかった」
私の後押しに律樹がディスプレイをスライドさせる。
「はい」

ものすごく低い声の律樹。

「今から行くつもりでした。おまちください。・・・・はい。わかってます。」
ふと時計を見るとすでに11時を過ぎている。