最後の一夜が授けた奇跡

「また、泣かせちゃったな」
視線を私に戻した律樹が笑う。

私の瞳からこぼれた涙を拭きながら律樹は私の薬指の指輪をそっと撫でる。

「愛してる」
「・・・私も。愛してる。」

私たちはしっかりと抱きしめあった。




その日のうちに退院した私。

律樹は私のアパートで一緒に暮らすと言い始めた。

律樹の住んでいる部屋はデパートの最上階。
嫌でもデパートを通らないと律樹の部屋にはいけない。