最後の一夜が授けた奇跡

「季里、結婚しよう」
律樹はそう言って箱を開けた。

中からは朝陽をまぶしく反射する、きらきらと光る指輪。

「絶対に後悔させない。一緒にいよう。この子と、3人で幸せになろう。幸せにする。」
箱の中の指輪を出して、私の薬指にはめる律樹。

「やばい、俺泣きそうじゃん」
少し潤んだ瞳を律樹は天井に向ける。
「長かったー。」
「・・・」
「やっと渡せる」

私だけじゃなかった。
律樹もいろいろと考えてくれていた。
その想いの大きさを受け止めながら私は静かに涙を流した。