最後の一夜が授けた奇跡

「?」
お腹に触れていた私の手の上に律樹が手を重ねて来た。
ふと律樹の顔を見る。

いつの間にか目を覚ましていた律樹が私の方を見ていた。

「具合は?」
まだ少し眠そうに何度か瞬きをしながら聴く律樹。
「大丈夫」
「季里の大丈夫は大丈夫じゃないからなー。」
そう言って微笑む律樹。

病室に朝陽が差し込み、まぶしいほど白い部屋やベッドが光を反射している。

「季里」
「ん?」
「一緒にいられるだけでこんなに幸せなんだな。」
微笑みながら律樹は私の頬に触れる。