最後の一夜が授けた奇跡

その夜。

入院する私に付き添って律樹も病室に小さな簡易ベッドを用意してもらった。
でも、律樹はベッドではなく、私と一緒のベッドに横になる。

ぴったりと寄り添い、私の髪を撫でたり、そっとお腹に触れる律樹。

これから待っている試練を忘れたわけじゃない。
でも、今はこのあたたかなぬくもりに浸りたい。

私は律樹の胸の中で目を閉じ、久しぶりにぐっすりと眠った。

時々目を覚ますと律樹は私の方を見て微笑んでいる。


律樹は眠れないんだ・・・。

きっと私以上にいろいろと考えてくれているのだと思いながら、私は逆らえない眠気に再び目を閉じた。