おかしい、ぜったいおかしい。
そんなの知りたくない!
「文句言わないで、お利口さんにできるよな?なゆは、いい子だから」
あたしが、恋人じゃなくてもいっしょにいられたらいいっていうのは、そういうことじゃないの。
ただの利人と、ただのなゆ
このふたりじゃないとだめなの……っ。
ついにお見合いの場が始まって、
四角いテーブルに
間宮ユーガくんと、ユーガくんのママ。
向かいにあたしと、あたしのお父さんが座る。
そして利人は結使人として部屋の角に立っていた。
ユーガくんのママも、あたしのお父さんも上辺だけの笑顔が張り付いていて気持ち悪い。
ユーガくんはあたしのことを見て
「ほんとうに可愛らしいですね」と言ったけど、あたしはちっとも笑えなかった。