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「利人、おひさしぶり……」


3日後。

斉藤に伝えてもらった通り、なゆは放課後、生徒会準備室にやってきた。



「明日の見合いのスケジュール確認するから」


そこに座って、と促してもなゆは動かなかった。



ようやく口を開いたかと思えば。



「やだ、……お見合いしない」

「何いってんの、だめ」

「しない! だって、利人毎日キスしてくれなかったじゃん!!」



またこれだ。

覚悟をしていたところと微妙にズレた、心の、まだ固まっていない不安定な部分を突いてくる。



「っ、じゃあしなかった日のぶん、今まとめてしてやるから……!」



冷静さを見失う。


早く結婚でもなんでも済ませて

俺を楽にしてほしい



けどやっぱり


誰のものにもならないで。