当たり前。


監視役を任されただけのくせに、私情が混じってなゆに近づいた男のことなんか信用できるわけない。


けど、そんなこと言ってたらいつまで経ってもなゆに会えないから、たまには妥協することも大事なわけだ。



「今日はまだいいけど。あさっての放課後、なゆに生徒会の準備室に来いって言っといてくんない?」


「あさってって……見合いの前日じゃん。遅くね?」


「いーんだよ。なゆが見合いからもう絶対逃げられないって覚悟したタイミングで話がしたい」



ふーん、と面白くなさそうに返事をしつつ、
「わかった。ちゃんと場はつくってやるよ」と言って去っていく。



斉藤がいなくなった途端、ふっと体のチカラが抜けた、と同時に目眩がした。


そのまま、なゆが眠ってたベッドに倒れ込む。


この日初めて授業をサボった。