寝たふりを、しなきゃ……。 だって、もうどんなカオしていいかわからないし、どんなカオもつくれる自信ない。 弱いこころが気持ちのぜんぶを支配して、このまま押しつぶされてしんじゃうんじゃないかって本気で思った。 「……なゆ、まだ寝てる?」 答えられるわけない。 「……1時間後、また見にくるから」 そんなセリフが落ちてきたあと。 「ごめん、」 って。 たしかにそう言った声が しずかに響いた。