「しかし、あの子の好みもわかりやすいものだね。中学頃から今までの遊び相手はみんな、良く言えば陽気、悪く言えばチャラチャラしていると言うか、何と言うか……。利人君と対極にいるような男ばかりだね」

「、そうですね」


「男好きの母親に似て、一時はどうしたことかと悩んだものだが。今回ばかりは都合がいいかもしれんな、皮肉にも」



ははは、と乾いた声で笑ってみせる。
この女を見下したような目も嫌いだ。



「私には1ミリたりとも似ずに本当に困った娘だ。頭も悪いし要領も悪い、加えてワガママ。唯一の取り柄の顔も含め、全て母親譲りだよ」


いつも通り笑って受け流す。

俺の笑顔もこの人と同様、絶対に崩れない。


心の内でどれほど冷めた目で見ているか、この人は知らないだろうな。