「っ、……だから、自分が弱い立場になるとすぐそうやって甘えて、カワイー子ぶってさ……。そーいうとこがほんとに、」

「……」


「……甘ったれてるって、言ってんだよ」

「……」



わかる。利人の言いたいことすごくわかるんだけど、今離れたら永遠にどっかいっちゃいそうな気がするんだもん。

そんなことになるくらいなら、どんなに拒まれたって引き止めなきゃって……体が勝手に。



ただ、どんなセリフを返すのが正解なのかわからないから、代わりに抱きつく力を強めた。



「いい加減うざいって……離れろ」



傷ついた顔が見られないようにするには抱きついたままでいるしかないのに、利人はあたしを引き剥がそうとする。



「そもそもね。女子高生にもなって男にすぐ抱きつくってありえねーから。……社長の娘って自覚いつになったらもってくれんの」